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上洛記2026

ニンテンドー編

ニンテンドーミュージアムに入館せよ
 2026年4月。我々は平日の朝10時前に、シンカンセンでキョート共和国へと入国した。
 ダメ元で取りに行ったニンテンドーミュージアムの入館予約が当選したからだ。
 年度初めのこの時期に休みを入れるのは困難だったが、せっかくの京都だ、ついでに娘氏の修学旅行の予習をしてやろう。修学旅行は京都ではないようだが。


 京都駅から近鉄京都線で宇治方面に向かう。
 途中、十条駅から堂々とそびえるニンテンドー本社を見ることができる。おお、ここが世に聞く十条Deca通りLine……つまりあの辺に見える高架の下がデカライン高架下というワケか……。

 小倉駅で降り、あいにくの雨の中住宅街を歩く。ニンテンドーミュージアムはなんのもったいもつけずに我々の前に現れる。もともと宇治小倉工場だったのだから当然だが。
 3人分のQRチケットと身分証を提示し、手荷物検査のあと入館証を受け取る。
 最高のデザインの傘立てに傘を預け、ポケモンGOのポケふたスタンプを回収し、手早くエントランスへ向かう。
ニンテンドーミュージアム
 祝え! てばさきさんのニンテンドーミュージアム入館である!
 
ゲームを体験せよ
 まずは売店「BONUS STAGE」を見て狙いの細かいグッズを買ったあと、アトラクションのある体験コーナーを目指す。とりあえず展示コーナーをスルーして、先に体験することで混雑緩和を狙えるらしい。
ニンテンドーミュージアム
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 これは待機スペース。全部知ってる……。キミはミュージアムで展示されてるものを全部知ってることがあるか? 最高だった。

 しかし、エスカレーターを登って展示コーナーに着いた瞬間、360°から情報の波をワッと浴びせかけられ、「ア……ア……」しか言えないちいかわ人間になってしまった。

 ここをスルーして展示コーナーに向かうルートを探さなければならないんだが、なにしろ視覚が完全に役に立たない。どこを見ても知ってるゲームが展示されており、そこに意識を吸い取られてしまうからだ。
 アッあれは初代MOTHERのCM! 名作保証! アッあれは海外版のポケモンのパネポン!? アニポケのサトシさんが描かれているぞッ!
 ……いやまて……流されるな……目的を見失うんじゃあない!
 そうだッ星野源が去年の紅白で謎の『ゲームのミュージアム』から生中継していたッ! あのときはこのへんから降りて近藤浩治センセイが待ち構えていた……『下』か! これだッこの階段だッ! ありがとうおげんさん!!


 体験コーナーでは入場券に付与された10コインを消費して、さまざまなゲームを楽しむことができる。

 まずは各々4コインを消費して『ザッパー&スコープSP』に挑んだ。これはザッパーかスーパースコープか選ぶことができる。昔のよしみでスコープにしようかとも思ったが、ザッパーの実銃(実銃?)を撃ってみたかったし、SplatoonではずっとZAPにお世話になっているのでZAPにした。結果、みごと銀表彰を得ることができた。
 ……俺はいちばん端っこのレーンで、隣が娘氏だったので、俺は娘氏の獲物を片っ端から奪っていた可能性がある。大人げないゾ!
ニンテンドーミュージアム
 こういった記録のほかに、アトラクション中に自動的に写真が撮影され、それは後でニンテンドーアカウントに登録したメールアドレスに送られてくる。かがくのちからってすげー!

 続いてご両親で『ラブテスターSP』をプレイした(2コイン)。お二人の共同作業の結果、ラブ度は63ラブから114ラブまで上昇した。キミ適当に言ってない?
 撮影された写真、後ろに写り込む娘氏がもれなく面白く、おなかいっぱい笑った。

 『しぐれでんSP』は一家で対戦できるクソデカ百人一首である(2コイン)。専用スマホで詠まれる歌を、床のモニターに表示されるクソデカ札の中から探し、カメラに捉える速度を競う。
 いきなり初手が「富士の高嶺に雪は降りつつ」だったのでテンションが上がって隣の札を取ってしまった。テンションを上げるものではない。710点。

 クソデカ繋がりで『ビッグコントローラー』を体験しようと思ったが、お昼前の段階で多少待ち行列が発生していたため諦め、『ゲーム&ウォッチSP』(1コイン)に挑んだ。
 これは自分の身体を使って「マンホール」か「ボール」をプレイするもので、基本的にずっと腕を上げているため肩こりに効果がある。ゲーム&ウォッチはまだガンには効かないが、そのうち効くようになる。
 
ランチを創造せよ
ニンテンドーミュージアム
 ここで12時を回ったので、「はてなバーガー」に昼食をキメにいく。はてなバーガーではパーツを選んでキミだけの最強のバーガーを作ることができる。
 まあ……冷静に考えたら、お店側で用意している公式デッキを使うのがいちばんウマくて間違いがない。だが冷静になる理由がない。お前はさっき決断的にショドーされた「任天」「独創」のカケジクを拝んだではないか。お前が独を創り出すんだよ!
ニンテンドーミュージアム
これが俺のアンサーだ!
 肉の代わりに入れたビッグキノコ(肉厚しいたけ?)、ゆず胡椒と奇跡的にマッチしてうまかったが噛み切りにくかったぜ! ごちそうさん!

 お昼なので並ぶだろうな~って思ってたけど、スマホンでカスタマイズしてる間に列は進んだし、なぜか無料の写真撮影サービスもあって一家で写れるし、なんか『あつ森』のBGMにつられて上を見たら風船が飛んでるし、良かった。来場者数を正確に把握しているからできるホスピタリティだな。
 
展示を享受せよ
 娘氏はお昼前に予約した「ちょっと、花札をつくろう」のワークショップに向かった。こちらの付き添いをワイフにお願いし、俺は先行して単独で先ほどの展示エリアに戻った。
 展示エリアに再入場する場合は、待機スペースで説明を聞く必要はない。

 展示エリアはハードごとの島に分かれていて、外周にオモチャ系や企画展めいたものが設置されているようだ。ソフトは海外版のパッケージも並んでおり興味深い。
 とりあえずファミコンの島から順に見ていくか……と思ったら突然ッ! 脳内に直接! 『POLLYANNA (I BELIEVE IN YOU)』が流し込まれたァーッ!??

 急に涙腺をハックされパブリックな場で泣いてしまった。いったい何が!?
 上を見ると、みっちり並んだモニターの上に、スゴイ指向性のスピーカーが置かれており、真正面に立った者だけにモニターの音楽が聴こえる仕組みになっているらしい。ちょうどMOTHERのところで俺が通りかかり狙撃を受けたというわけだ。エンディングまで泣くんじゃないどころの話ではない。一撃確殺だった。

 ミュージアムの展示物の前で涙を流しているおっさんは客観的に見て「重すぎ」でありヤバい。このサントラ即泣きおじさんはノスタルジーで泣いているわけではない。最近やった『カエルの為に鐘は鳴る』のメインテーマでも泣いている。ただ鼓膜の振動が涙腺と直結しているだけなのだ……!


 そんな危険なトラップをいくつも喰らい、たびたび密かにハンカチで涙を拭いつつ、俺はアートギャラリーに立ち寄った。
 ウワーッいきなり「Splatoonのインクリングがまだイカでなかった頃」の設定画が展示されている! 開発スタート時の豆腐だった頃の画面写真も!?
 正直1タイトルだけでこの部屋が埋まるであろう量の資料があるだろうに、隣には『どうぶつの森』シリーズと『ピクミン』シリーズの開発中資料があり、背後には『ゼルダ』シリーズのドット絵設計からブレワイのコンセプトアートまであり、濃度が高すぎる。ファイアーエムブレムのセル画もあるし、ティンクル★ポポのパッケージ色校まである! なんでティンクル★ポポが色校まで行ってんだ!?

 正直このコーナーだけでミュージアムとして機能しそうだが、それはシリーズのマニアしか喜ばないだろう。企画展とかやって入れ替えたりするのかなあ。


 まだ娘氏の体験が終了するまで時間があるため、改めて展示コーナーを一周し、涙を流し、最後にまだ1テーブルしかないSwitch2のコーナーの前に座って、俺は思った。

 ここは……死の間際に見るという走馬灯なのではないか……?
 ここには俺の美しい思い出が全てある。ここで死にたい。老いたらファミコンのコーナーからSwitch64のコーナーまで順に歩いて、ベンチに座って「いい人生だった」と呟いて目を閉じてそのまま死にたい。

 外国人観光客もたくさん来ていて、言葉はわからないが「これ俺ん家にあったわ~」「これパパの時代にめちゃ流行ったヤツ」みたいなことを絶対に言っていた。
 国籍が違っても、ここにいる人々はみんな仲間で、世界を分かち合っている。ジョン・レノン見てるか? 世界情勢は相変わらずクソだが……ここだけはお前のイマジンが顕現しているぞ。(マッカートニーは見てそう)
 
フィニッシュ
ニンテンドーミュージアム
完成した花札
 花札製作の済んだ娘氏とワイフと合流し、展示の見どころを紹介しながらもう一周した。
 初代ポケモンの説明書に付属していたワールドマップが展示されていたので、娘氏に『ぽこ あ ポケモン』との世界観対比が説明でき、良かった。

 辞去する前に、残ったコインを何かアトラクションに投じようかと思ったが、15時近くともなるとどのゲームもけっこう並ぶようだ。『ゲーム&ウォッチSP』が空いていたのでそれをやってフィニッシュした。肩こりには効いた。


 余談だが、この翌日に俺は九条のホテルを抜け出し四条のニンテンドーキョートまで素早く往復してグッズを買ってくるというバイタリティを見せたのであった。まあキョートまで来てるしついでついで!
ニンテンドーミュージアム
ミュージアムとあわせて獲得したボーナス


 キョート修学旅行編に続く。
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